母性と政局と

今回の解散の意義についてはpaco_q先生やRaz氏のようなすばらしい分析はできないので、気になったニュースをふたつほど取り上げてみる。


まずはスポニチの一面を飾ったニュース。
http://www.sponichi.co.jp/society/news/2005/08/09/01.html

野田聖子議員 赤ちゃんより選挙優先
 小泉純一郎首相が改革の本丸と位置付けた郵政民営化関連法案が8日午後、参院本会議で採決され、自民党議員30人の大量造反により否決された。首相は衆院の即日解散を断行、総選挙日程は30日公示、9月11日投票となった。反対派の急先鋒(ぽう)、野田聖子衆院議員(44)は現在不妊治療中だが、本紙の取材に対し、赤ちゃんより選挙を優先することを宣言。一度体外受精に成功した受精卵が、一連の騒動で凍結保存されていることを明かした。
 凍結保存されているという受精卵について「夏の間に胎内に戻すつもりだったが、こんなことになっちゃって…」と苦笑い。「ママになるのは選挙が終わるまでお預け」と述べ、複雑そうな表情を浮かべた。
(後略)

以前、ニュース番組の特集で、「45歳までは続ける」としてギリギリのスケジュール調整をしている内実を見ていただけに、複雑な気持ちになります。生殖補助医療の現実という点でも興味があるのですが。*1



もっと直接的に問題になったのはこちら。まずはwebに出ている記事から。
朝日新聞の徳島のサイトより。
http://mytown.asahi.com/tokushima/news02.asp?kiji=5153
徳島県における党としての対応を述べたあと、議員個人の主張を紹介しているのだけど、その中に。
(強調は引用者による)

―県内の国会議員の法案への賛否と主張―
 
 高井美穂氏 欠席 時間かけて議論を

 法案には反対。民営化すれば山間部などを含む郵便局のネットワークが維持されなくなるのではないか。法案の内容も具体的ではない。もっと時間をかけて議論すべきだ。(8月8日に取材。本会議欠席は産休のため


ヨリ具体的な話は東京新聞8月9日付の"「政権倒す」気勢の民主"という記事の中で。

(前略)
高井美穂氏(比例四国ブロック)は出産後の休暇から戻ったばかりで、この日が復帰初日。衆院で郵政法案の採決が行われた7月5日は、帝王切開で長男を出産してから1週間目で、病院のベッドで泣く泣く出席をあきらめた。「もし一票差だったら議員辞職も考えた。本当に悔しかった」と振り返る。同僚議員からも「おめでとう」と声をかけられると「必ずしっかり戦って戻ってきます」と力強く答えていた。

正直、高井氏についてはまったく何も知らないので主張の当否などはおいておくにしても、この記事を見たら新米ママ業がんばれ、と思うと共に、ちょっと鬱な気分になりました。


母性を意識した国会議員がいることのほうが望ましいとは思うのだけど、なかなかうまくいかないなあ、と。「良いバレリーナであること」とは違って、国会議員であることとよき母であること、あろうとすることは「比較不能」とはいえないんじゃないかしら。う、問いの立て方がおかしいかな・・・。こんがらがってきた。やっぱ付け焼刃ハセビアンじゃあよくない。やっと「憲法と平和を問いなおす (ちくま新書)」(長谷部恭男著)を読み始めたので・・・。

*1:まして、政治には魅力を感じない自分もほかの職種でこのような状況に陥らないとも限らないわけでして。