「雑感]ウエイトレスをしながら将来に思いを馳せる

最近週末バイトは必ずといっていいほどフロアーに立ちます。キッチンの中で待機してお料理を運んだり、特定の部屋について接客するんじゃなくて、いわゆる一般席でメニュー出したりオーダー取ったりあれこれする役。もう2年半もこの仕事続けているので、もうリッパな年増ベテラン扱い。


今日もそうだったんです。ご予約で、弁護士さんがいらっしゃいました。(有名な方ですが、テレビに出るような人じゃないです、念のため)店長によると常連のお客様らしい。そうもあって話好きの方のようだし、と懇意丁寧に接客した(注:一応ランチタイム)ら、帰り際に、お褒めの言葉を頂きました。「さっきも皆と話してたんだ、君のすすめかたはうまいねえ、将来の店長候補だよ、あなた(にっこり)」いや、実は弁護士になりたいんですと小声で伝える*1と、「じゃあうちに遊びに来なさい。あなたのもっているのは弁護士としても重要な資質だよ」
うれしいですね。


ウエイトレスを何年もしてると、結構うちの店では弁護士先生に励まされることがあります。まあいつもは50過ぎたおじさん弁護士だらけなのでなんともないのですが、今日は上記の常連おじさま弁護士のゲストも弁護士で、その中に若い女性弁護士がいらっしゃいました。おそらくは「愉快な先輩達」くらいの年齢の。4人の弁護士の楽しそうな会話を眼にしながら、ついつい将来を考えてしまいます。その上で上記のお言葉。
う〜ん、仕事しながら何考えてるんでしょう。
でも、うちの店長はその辺りよき理解者なので、そんな私をみてにこにこしていました。よい上司を持つと幸せです。


ウエイトレスというのも奥が深くて、とくにうちみたいにランチでもディナーでもサービス料を一律10%取っているような店は、どうお客様に満足してもらうか、どう提案するかという能力も必要です。どんなタイミングでどのお酒を勧めるか、2,3品頼んだあとに「あとはどうしようかな」というお客さんに、どうもう一品おすすめするか、もう一杯、もうひとつデザートかな、と思ってるお客さんにどう伺うと頼んでもらえるかなど、枚挙にイトマがありません。また、料理を出したときの反応をみて、場合によっては取り分けたり、料理の作り方、食材の説明をしたり*2
こういうのは実はマニュアルがあるわけじゃないんです。いや、一応はマニュアル・教育ビデオがある*3んですが、そのとおりの言葉で接客することはほとんどありません。多くは口伝だったり、自分で考えたり。その場で想像力を働かせて、相手の立場になって、そしてお店のためにも相手のためにもイイコトをする。それがこの仕事の極意だと思っています。


そういう点をほめられたんだったら、うれしいな。家庭教師ではなく、この仕事を続けてきた甲斐があった、というものです。
世の中は花火大会らしくって、私の帰り道(浅草を通る)でも多くの浴衣をきた女性発見。いいなあ、いいなあ。近年浴衣なんて着てないぞ、夏休みの土日はいつもバイトだから。でも、今日はイイことがあったから、まあいいよね。

*1:うちでは社員もバイトも同じ制服を着ているので、デフォルトだと社員と間違えられるのが常。特に私ははた目にはわからないらしい

*2:愉しんでもらうための情報を伝えるのも仕事のうちです

*3:たとえば、何も言われなくても辛い料理のときはお水を出すとか